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人びとの教育の論じ方はこの数年で大きく変化したのではないでしょうか。 ただし、次に、政策的にどちらの方向に進むのか。
論じ方の変化をどうやって生かしていくのか、というのは次のステとフの議論となるでしょう。 それでも、まずは、そうやって私たちが教育を論じる時の論じ方が変わってきたことは、やはり論争のひとつの成果だと言っていいと思うのです。
ただ、一方で学力低下をくいとめるという論じ方自体が、すでにひとつ別の基調になってしまったために、ある意味では、非常に単純な揺り戻しのような議論も出ている。 あるいは、もう『学力低下』に言及しないと教育について語れなくなってしまったとか……。

そういうネガティブな影響もありますよ」「『学力低下論は。 時代の狂気だ』と書いた教育学者の方もいたし、『学力低下』の声が大きすぎて、それ以外の声を出すのがはばかられるようになったと書いた人もいます……。
これに対しては1川伸一さん(T京大学大学院教育学研究科教授)が『学力低下論争』(Cくま新書、2002年)の中で多少反論を書いています。 つまり新学力観をめぐる議論があった時はまさに今とは逆向きの風の中で、同じ状況だったのではないかというのです。
私は1川さんの見方に賛成ですが、それでも、なるほど、言論のSが一方だけに偏りすぎては危ない。 そういう意味では私自身は、片方だけにつく単純な議論はしてこなかったつもりです。
一方的にM科省だけが悪いとも言ってこなかったし、学力低下によってどういう問題が起きるかについても、比較的慎重な言い方をしてきた。 教育というのは複雑な問題だから、一方にだけ流されるような形で問題解決ができるはずがない、ということが前提ですから。
そういう意味で、教育の論じ方が変わってきた。 学力低下か否かの風向きか変わっただけでなく、私がやってきたようにデータや数字を使った自分ではリアリストだという言い方をしているのだけれど1論じる時のスタイル自体を変えたいという信念を私自身、最初から持っていた。
だから、そういうことが、教育の議論を通じて少しでも浸透したのだとしたら、問題提起をした意味も少しはあったのかなと思います。 ただ、学力低下論争は終わったのだけれど、教育を論じることは終わらないのですよ。
教育改革の議論も終わらない。 2002年のM科省の全国学力調査の結果発表でした。

この論争を経てしまったら、全国調査に対して『点数だけで評価する学力はけしからん』と批判したところで、今ではそれほどの説得力を持ちえない。

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